理事長/学院長メッセージ

明治学院の新たなる門出

青本理事長“人の世の若き生命(いのち)のあさぼらけ”に始まり“もろともに遠く望みておのが志(じ)し道を開かむ 霄(そら)あらば霄を窮めむ 壌(つち)あらば壌にも活きむ”と詠った島崎藤村作詞の明治学院校歌は、価値観が混乱し多様化する現代においても変わらない教育の基本的な理念を掲げているように思います。

現代では、生涯教育の必要性が言われます。しかし、社会に第一歩を踏み出す直前の高等教育の期間は、若者たちの「自分探し」「自己の形成」の過程で最も重要な時期です。知識を広め技術を高めると同時に人としての道を学び養う時期でもあります。明治学院は、明治初期、日本に「キリスト教に基づく人格教育」という新しい息吹を伝えたJ.C.ヘボン博士の英学塾から始まりました。爾来、この建学の精神の基に多くの若者を育ててまいりました。現在では、東村山に中学と高校、白金には大学および隣接する高校、そして横浜には国際学部を中心に世界を見据えた教育という一貫かつ広範な教育を実践する学院組織に成長しました。

2013年には、創立150周年を迎えます。この時期、明治学院は、長い歴史と伝統を誇ると同時に時代の変化に即応した学院グループとして新たなスタートを切ろうとしています。2011年3月、明治学院は、『創立150周年を迎えるにあたって』-明治学院の教育の指針―を発表しました。「キリスト教に基づく人格教育」という建学の精神は変わることなくさらに教育の質を充実してまいります。また「21世紀ヘボンプロジェクト」を通じた学外社会との交流や連携、復原された礼拝堂の礼拝や新設されたパイプオルガンの演奏会などを通して広くキリスト教教育のご理解をいただいていくことも重要と考えております。さらに、あらゆることがボーダレスになってきた時代において、異なる国、異なる文化や伝統あるいは自然環境との共生を重んずる市民の育成を目指します。こうした教育を着実に達成するための財政的健全性を図り、教育環境の整備を一層充実していくことも法人としての学院の責務であると考えております。一度白金台地などの学院キャンパスをご訪問ください。古き日本の香りと新しき若者たちの姿をご覧いただけるでしょう。

理事長  青本 健作 (あおもと けんさく)
青本 健作



○明治学院創立記念礼拝式辞(ヘボン塾開設148周年)

 

明治学院のキリスト教主義教育について

久世学院長学校法人明治学院は、「福音主義のキリスト教に基づいて、教育事業を経営する」ために存在していますが、このような教育は一般に「キリスト教主義教育」と称されています。

「福音主義のキリスト教」というのは16世紀ヨーロッパのキリスト教に生じた、マルチン・ルターの名とともに知られる宗教改革に発するプロテスタント・キリスト教のことです。当時の身分制社会に密着していたカトリック・キリスト教に対して厳しい批判を特徴とするプロテスタント・キリスト教は、個人の自由を強調する社会思想を生み、それが身分制社会を打破して市民社会をもたらした17世紀のイギリス市民革命、18世紀のフランス大革命のような変革につながりました。

自由な市民社会というのは、元来、個人の利己主義を野放しにするのではなく、他者への愛によって身を律する自由人の社会です。今でも、欧米の資本主義社会には、福祉国家の構築を始め、さまざまな形でこの「市民精神」が働いています。しかし日本では、明治維新を経て、身分制社会から市民社会の形成を待たずに資本主義社会に一足飛びしてしまったために、1945年の敗戦後のいわゆる民主化改革で、憲法に市民社会の原則が明記されたものの、「市民精神」はまだまだ十分には根付いておらず、そのためには教育における相当な努力が必要であるというのが現実です。

キリスト教主義教育は、まさにプロテスタント教会が果たした歴史上の役割にふさわしく、「良き市民」が育つのを助ける教育にほかなりません。カリキュラムにキリスト教関連科目があり、学校の中でキリスト教に結びついた行事や活動があるのは、決してキリスト教の勢力を強めるためではなく、「市民精神」が何によって支えられているかを理解してもらうためなのです。

明治学院の諸学校はこれまで、多くの「良き市民」を世に送り出してきました。これからも、なおいっそう、伝統の市民教育の充実を図って日本社会に独自の貢献を果たそうとしているのです。

学院長  久世 了 (くぜ さとる)
久世 了
一貫教育宣言
チャペルコンサートシリーズ
明治学院創立150周年記念事業と募金のお願い
明治学院歴史資料館
チャペルパイプオルガン奉献式